ハイヤーとタクシーの違いについて 見た目・料金等から徹底解説

日本の道路運送法の観点から見るとハイヤーが定義されている条文は存在していません。
そのため、ハイヤーとタクシー事業を総じてハイタク事業と呼ばれています。
しかしながらハイタク事業と一括りにされていますが、実際には大きな違いがあることを皆さんはご存知でしょうか?
ここでは、実際にタクシーとハイヤーの違いをうまく説明できないという方に向けて、ハイヤーとタクシーの違いについて、5つの項目にわけて解説していきます。
・見た目の違い
まずわかりやすいのがその見た目です。
皆さんも街中を歩いているとき、タクシーを見かける機会は多いかと思いますが、ハイヤーを見かける機会というのは少ないのではないかと思います。
それもそのはずです。
タクシーはタクシーだとわかるように行灯がついているからです。
行灯がついていることで、タクシーは外観から判断することが可能ですが、ハイヤーには基本的に行灯がついておらず、外観からハイヤーだということがわかりづらくなっており、一般車両との区別がつきづらいです。
この理由は、次に記載する営業形態の違いに付随しています。
・営業形態の違い
先ほどもお伝えしましたようにタクシーには行灯がついていることで、外からタクシーだという認識ができます。
この理由は、タクシーは流し営業と呼ばれる、営業形態を取っているからです。
流し営業とは、街中を走ったり、駅前、タクシー乗り場に常駐したりすることで、お客様にタクシーであることを認識させることで、乗車してもらう営業方法です。
対してハイヤーは、タクシーのように流し営業を行っておらず、営業所を拠点に完全予約制でお客様の元へ伺う個別輸送機関として営業を行っています。
タクシーは予約しなくても乗車することが可能ですが、ハイヤーは予約しないと乗車することができないことも大きな違いの1つです。
そのため、外観からわざわざハイヤーであることを周知させる必要がないことから、行灯をつけていないため、街中で見かける機会が少ない、仮にハイヤーであったとしてもハイヤーだと気づかないようになっています。
・料金形態の違い
次に料金形態が大きく異なります。
タクシーの場合、乗車してから降車するまでの距離や時間によって料金が決まります。
一部予約した場合や深夜・早朝料金が加算されることがありますが、大枠として乗ってから降りるまでにお金がかかると考えるのがわかりやすいです。
詳しくタクシーの料金形態を見ていくと、『初乗り運賃』と呼ばれるタクシーに乗車するだけでかかる金額と乗ってから目的地までの『加算運賃』の合計がタクシー料金としてかかります。
加算運賃に関しては、大きく以下の3パターンが存在しています。
①『距離制運賃』
一定の距離が進んだ際にかかる料金です。
②『時間制運賃』
タクシーに乗ってから一定の時間が過ぎる度に増える料金です。
一般的に走行距離よりも時間拘束の割合が高いと判断された場合に適用されます。
③『時間距離併用運賃』
距離制運賃に加えて、一定速度(時速10km)以下の走行速度になった場合の時間を距離に換算して計算して出される料金形態です。
この一定速度というのは一般的に渋滞中の速度が該当します。
以上のようにタクシー料金が決まっています。
また、乗車車両や各タクシー会社や個人タクシーによっても料金の決まり方が違っている場合があるため、以前乗った時と料金が違うといった場合もあり、乗車する度に料金が異なるのも大きな特徴です。
都道府県によっても初乗り価格が違いますので、その点も加味しておくとトラブルにならずに済むかもしれません。
ハイヤーの場合は、手配してから乗車、降車してからハイヤーが営業所まで戻るまでの期間で料金が発生するという点です。
これは、乗車してから降車までに料金がかかるというタクシーとの違いが大きく出ています。
また、ハイヤーの場合は、時間や日数で料金を定めているところがほとんどなため、特定料金を払うことで、利用することができます。
そのため、同一のハイヤー会社を選択すれば、タクシーのように日によったり、乗る場所が異なったりするだけで、料金が大きく変動することがないこともタクシーとの違いと言えます。
・精算タイミングの違い
タクシーの場合は、上記でも記載した通り各タクシー会社や乗車位置によって料金が異なるため、降車のタイミングで支払うことがほとんどです。
最近では、アプリで事前決済や自動引き落としのようなシステムも導入されていますが、現金で支払う場合は基本的に降車のタイミングであり、運転手の方が料金精算を行います。
しかしながらハイヤーの場合は、降車のタイミングで支払うということがありません。
ハイヤーを利用した後、別途領収書がハイヤー会社から発行され、その領収書に従って支払うというのが基本になります。
そのため、運転手の方に直接お金を渡すということがありません。
このように運転手と金銭のやり取りがないこともタクシーとハイヤーの違いです。
・サービスの違い
最後にサービスの違いです。
これまで紹介してきたようにタクシーとハイヤーの違いは明確にありますが、1番の違いはサービスの違いと言えるでしょう。タクシーもハイヤーもお客様を安全に目的地にお送りするという部分は同じですが、それ以外のサービスが大きく異なります。
まず、タクシーは営業車のため、乗車人数に制限があります。
人数が増えれば複数のタクシーを利用せざるを得なくなってしまいます。
しかしハイヤーは、出迎えてくれる車種を指定できることがほとんどであるため、1台で完結できる場合があります。
加えて、ハイヤーは高級車を所持している会社が大多数を占めるため、乗り心地がタクシーと大きく異なることもサービスの違いと言えるのではないでしょうか。
また、ハイヤーはその利用する機会として、海外の方を出迎えるときに利用されます。
その際には、運転手の方が通訳者となって迎えてもらえる場合があります。
タクシーの場合だとその時の運転手によるため、確実に通訳をしてもらえる保障がありませんが、ハイヤーの場合は通訳に対する保障をつけることができたりもします。
以上の5つがハイヤーとタクシーの違いになります。
法律上の事業形態はひとまとめになっていても、その中身は大きく違うことがあるため、皆さんもこの機会にハイヤーとタクシーの違いを知っていただければ幸いです。